根本的な治療法が確立されていない難病の診断を受けた患者は、想像を絶するほどの深い絶望や不安を抱えるものです。そんな中、つらい難病と向き合う患者のケアを担う看護師は、心に寄り添うコミュニケーションをしっかりと押さえておく必要があります。
医師から病名を告げられた直後の患者は、現実を受け止めることができず、頭の中が真っ白になるほどの大きなショック状態に陥ります。この段階の患者に対し、前向きな言葉を無理にかけたり、治療の説明を急いだりすることは逆効果です。まずは、相手が言葉にできないほどの悲しみや怒り、不安を抱えていることをありのままに受け止め、ただ静かに見守ることがファーストステップとなります。
その後、患者がポツリポツリと胸の内を語り始めたら、まずは相手と同じ高さに目線を合わせることが大切です。ベッドの脇に立ち尽くしたまま話を聞くのではなく、椅子に座るなどして視線の高さを揃えるだけで、威圧感をなくすことができます。
同時に、身体を少し患者のほうへと傾けることも大事です。こうした姿勢を重視することで、「あなたと対等に向き合っています」という誠実な思いが相手に伝わります。
難病ケアの現場において、早急に治すことができないもどかしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。それでも、患者の言葉の裏にある本当の思いに共感し、孤独ではないと感じてもらえるような関わりを続けることが必要なのです。こうした根気強いサポートがあることで、患者さんは少しずつ病気を受け入れ、前向きに向き合う強さを育みやすくなるからです。