難病の患者をケアするにあたって、患者が自ら今後の療養生活や治療方針に関して決定しなければならないことがあります。そこで看護師が相談を受けた際には、まず医師の説明がどのようなものだったか、患者自身はそれをどのように理解しているかを確認しましょう。
場合によっては、医療関係者も参加する担当者会議を開き、患者とその家族が自己決定しやすいようにサポートしなければなりません。患者からではなく家族から相談を受けたときは、患者自身の意思を確認しているかどうか確かめることが重要です。
意思決定のサポートでは、看護師自身の意見を押し付けたり、一方的な見方で話したりしないように注意します。患者が医師の説明とそれをどう理解したのかを聞き取ったうえで、患者と家族がこれからどのような療養生活を送るかイメージしながら意思決定を支援するのです。
難病の患者のケアでは、患者だけでなくその家族の考えも知りましょう。治療には、家族の介助や協力が欠かせないからです。 家族の難病に対する理解度やどの程度の介助が可能なのか、どんな支援サービスを利用できるかなどを把握しましょう。
家族の介助疲れのサインを見逃さず、睡眠時間や家族自身の時間を取れているかなどにも気を配ります。家族が自分の仕事などをなるべく犠牲にしないように、サービスの利用などについて説明したり、提案したりするのです。家族が無理をしてすべてを負わないよう、本音を話せる関係づくりが大切です。